岡山大学 理学部

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講演会のお知らせ (6/4:時安 敦史 氏 (東北大学 電子光理学研究センター 助教))

2018年05月10日

講演題目:アクシオン探索実験 これまでとこれから
講師:時安 敦史 氏(東北大学 電子光理学研究センター 助教)
日時:2018年6月4日(月)14:00~
場所:総合研究棟6階16区画
要旨:
 アクシオンは強い相互作用におけるCPの破れの問題を解決するために理論的に存在を予言された粒子である。世界各国で数十年にわたり観測が試みられてきたが未だ発見には至っていない。これはアクシオンと通常の物質との反応断面積が非常に小さいことに起因する。この性質からアクシオンはまた宇宙暗黒物質のWIMPに並ぶ有力候補とされ近年注目を集めている。
 探索手法としては強磁場中でアクシオンをマイクロ波光子に転換し、その光子を共振空洞で増幅して検出する手法が最も感度があるとされている。近年では米国のThe Axion Dark Matter eXperiment(ADMX)がこの手法を用いて探索実験を行い、ある質量領域での存在を理論制限に匹敵する感度で棄却したとの報告がなされている(Phys. Rev. Lett. 120,151301 (2018).)。
 アクシオン探索において重要なのは効率よくマイクロ波光子を検出する事であるが、我々はリドベルグ原子ビームを用いた実験を提案してきた(CARRACK実験)。
 リドベルグ原子は高い主量子数を持ち、イオン化閾値付近まで励起した原子であり、マイクロ波領域の光子に対して大きな吸収断面積を持つ。リドベルグ原子を用いれば単一のマイクロ波光子を検出することが可能であり、量子限界を超えた検出感度を達成することができる。
 本講演ではアクシオンの理論的説明、CARRACK実験の概要及び計画について紹介する。
 また上記に加え、近年C.Beckにより提案されたジョセフソン接合素子を用いたアクシオン探索実験(Phys. Rev. Lett. 111,231801 (2013))に関しても言及する。

連絡先:異分野基礎科学研究所 量子宇宙研コア 増田 孝彦(内線8499)

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