講演会のお知らせ (12/12: 羽澄昌史 先生 高エネルギー加速器研究機構)
2012年12月05日
演題:「ビッグバン以前を探る
ー宇宙マイクロ波背景放射観測プロジェクトの最前線ー 」
講師: 羽澄昌史 先生 (高エネルギー加速器研究機構)
日時:12月12日 16:30
場所:コラボレーション棟3F コラボレーション室
概要:
宇宙マイクロ波背景放射は宇宙最古の光である。その観測により、ビッグバンの検証、宇宙年齢の決定、ダークマター・ダークエネルギーの定量化などが達成されてきた。
現代宇宙論にとって中心的な役割を果たしてきたと言える。
今後の観測の大きな興味の一つは、宇宙マイクロ波背景放射の偏光である。偏光を測ると、熱い火の玉宇宙(ビッグバン宇宙)以前の宇宙を探ることができると期待されている。これにより、インフレーション仮説の直接的検証が可能となる。また、その背後にある量子重力理論(超弦理論など)の検証の道が拓かれる。KEKを中心とした我が国の研究者が進める宇宙マイクロ波背景放射偏光観測プロジェクトとしてQUIET、POLARBEAR、LiteBIRDがある。QUIETは現時点で世界最高レベルの観測結果を出しており、それより感度の高いPOLARBEARは現在データを取得中である。LiteBIRDはこれら地上実験では達成できない究極感度の観測を可能とする衛星計画である。
参照リンク
http://www.science.okayama-u.ac.jp/up_load_files/pdf/lecture20121212.pdf