講演会のお知らせ (6/20: 数理物理学研究室 水島 健 先生)
2012年06月15日
演題:「トポロジカル超伝導相とマヨラナ粒子」
講師: 数理物理学研究室 水島 健 先生
日時:6月20日 14:00
場所:コラボレーション棟3F コラボレーション室
概要:
物性系でのマヨラナ粒子の研究の歴史は10年程前の Read と Greenの理論[1] に端を発する。スピン偏極したカイラルp波超伝導体という当時はtoy model として考えられた系において、その量子渦や界面等に束縛された低エネルギー準粒子とマヨラナ粒子の類似性が指摘された。その後の Ivanov [2] やKitaev [3] らの研究により、このマヨラナ粒子が非可換エニオンとして振る舞うことが明らかにされ、Fault-tolerant quantum computing の舞台として大きな注目を浴びた。加えて最近では、マヨラナ粒子は上記のような toy model のみならず様々な超伝導物質系にユビキタスに存在し得ることが明らかになりつつある。この進展の影には超伝導状態のトポロジカルな性質を利用した新たな分 類学の発展による恩恵がある。
本講演では、物性系でのマヨラナ粒子の研究についての歴史や現状等について概観し、さらには、新たな超伝導相と してのトポロジカル超伝導とマヨラナ粒子の関係性についても触れたい。
参考文献:
[1] N. Read and D. Green, Phys. Rev. B 61, 10267 (2000).
[2] D. Ivanov, Phys. Rev. Lett. 86, 268 (2001).
[3] A. Kitaev, Phys.-Usp. 44 131 (2001).
参照リンク
http://www.physics.okayama-u.ac.jp/seminar/danwakai2012/danwakai2012_6_20.pdf