岡山大学創立以来65年以上の長きにわたり,理学部は日本の理学研究・理学教育の中心のひとつとして,ここ岡山の地から全国に,そして世界に,優秀な人材を送り出し,最先端の研究成果を発信してきています。
ご存知の通り,理学部は数学科,物理学科,化学科,生物学科,地球科学科の5学科からなります。さらにその歴史の中で附属臨海実験所,界面科学研究施設,異分野基礎科学研究所が設立され,自然科学の広い分野を深く扱うとともに,分野横断的に教育・研究を進める体制が整えられています。
交通環境の発展により学生の流動性が非常に高くなった現在においても,岡山大学理学部が県内および近隣各県の受験生やその家族を惹きつけ,中等教育関係者の信頼を得ているのは,ひとえに歴史と実績に裏打ちされた「岡山大学理学部」ブランドの賜物であると言えます。これまで理学部に関係された同窓生の皆さんの各方面でのご活躍と,現在の理学部構成員の弛まぬ努力に立脚した「岡山大学理学部」ブランドは,理学部の現在,そして未来を支える大きな拠り所です。そして,これまで長い時間をかけてこのブランドを育て上げた同窓生の皆さんの集まりである岡山大学理学部同窓会は,まさに理学部にとって,これまでも,そしてこれからも,大きな支柱であり続けます。
そのような同窓会ですが,その設立は意外にもつい最近,2012年3月のことでした。ようやく,という感もありますが,同窓会という組織が設立されたことで,同窓生の皆さんの理学部に対する思いを具体的に集め,形にするしくみが整ったことになります。現在の理学部の姿を同窓生の皆さんにお伝えし,同窓生からの意見・情報を我々が受け取る。そんな場として本同窓会は存在意義を発揮し続けることでしょう。
岡山大学は最近「地域中核・特色ある研究大学強化促進事業(J-PEAKS)」,「大学の国際化によるソーシャルインパクト創出支援事業」の二つの大型プロジェクトに採択され,最先端の研究推進と国際化を,共に地域と連携した形で進めていくことになります。理学部には特に最先端の研究推進を中心に大きな期待が寄せられております。この意欲的な事業を推進するにあたっても,同窓生の皆さんのご理解,ご支持は欠かせません。
同窓生の皆さんが築き上げた「岡山大学理学部」ブランドをこれからも維持し,発展させるのが現在理学部に属するわれわれの役割であり,義務でもあります。同窓生の皆さんには,これからも変わらぬご理解とサポートを賜りますよう,心よりお願い申し上げます。そのためにも,折に触れ本同窓会を存分にご活用いただければ幸いです。
最後になりましたが,理学部同窓生の皆様の益々のご発展を祈念いたしまして,ご挨拶とさせていただきます。
岡山大学理学部長 阿保 達彦(あぼ たつひこ) |
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