担当者 | 味野 道信 准教授(物理学科) |
---|---|
日時・期間 | 平成25年12月18日(水)16:15 〜 17:45 |
場所 | 理学部本館22講義室 |
数学,物理,生物,化学,地球科学それぞれの分野にも深く関連しているカオスについて学び,その基本構造について理解を深める。
天体や流体の運動は決定論で記述される基本的な運動方程式に従うにも関わらず,天気予報や未来の惑星の運動などで長期的な予測が難しいのは何故か。50年前に気象学者ローレンツによって報告された散逸系のカオスについて,いくつかのモデルを紹介した。特にロジスティックモデルと呼ばれる差分方程式系においてコントロールパラメータを変えるだけで,固定点,周期振動,カオス振動と様々な振動が現れることを演習から理解した。二重振り子やBZ反応などの動画を紹介し,身近にも多くのカオス振動があることを示した後,カオス振動が相空間ではストレンジアトラクタと呼ばれる軌道で特徴付けられる事を学んだ。そして,このストレンジアトラクタは引き延ばしと,折りたたみが重要であり,これがフラクタル次元として定量化されることを講義で示した。