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実施報告

フロンティアサイエンティストリテラシー [ カオスとフラクル ]

担当者 味野 道信 准教授(物理学科) 
日時・期間 平成27年1月28日(水)16:15 〜 17:45
場所 理学部本館11講義室

目的

自然界に存在する自己相似図形を特徴付けるフラクタル次元に関して学び,科学の様々な分野に関連する概念として理解を深める。特に,決定論的カオスとの関連に注目して,非線形現象の多様性に触れることを目的とする。

報告事項

フラクタルな形,例えば海岸線の長さや雲の輪郭など,自己相似的な構造を持ち特徴的な長さを定義できない形が数多く存在する。これらの形を定量化する指標としてフラクタル次元が知られている。最初に,マンデルブロ集合やカリフラワー等の写真から,自己相似図形に関する特徴を説明した。この後,コッホ曲線やシェルピンスキー・ガスケットのフラクタル次元の求め方を解説し,演習問題としてメンガーのスポンジの次元を求めた。フラクタルパターンの形成プロセスに関して,金属樹やバクテリアコロニーパターンを紹介し,拡散律速凝集について説明した。
続いて,ロジスティックモデルと呼ばれる差分方程式系においてコントロールパラメータを変えるだけで,固定点,周期振動,カオス振動と様々な振動が現れることを示した。二重振り子やBZ反応などの動画を紹介し,身近にも多くのカオス振動があることを示した後,カオス振動が相空間ではストレンジアトラクタと呼ばれる軌道で特徴付けられる事を説明した。そして,このストレンジアトラクタは引き延ばしと,折りたたみが重要であり,これがフラクタル次元として定量化されることを示した。

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